骨端線とは?子供の成長やケガのキーポイントを専門医が解説

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歌島 大輔
歌島 大輔
スポーツ整形外科医師川崎市立井田病院
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は子供の成長のカギと言える骨端線について、

骨端線(こったんせん)とはなんぞや?
といったところから、

なぜ骨端線というものがあるのか?

成長はどのように調節されているのか?

といった疑問にお答えできるような記事として、

専門医の立場からわかりやすくお伝えできればと思います。

その結果、
お子さんの成長に対する知識が深まり、
医師のレントゲンに対する説明が理解できるようになったり、
具体的にお子さんがどのように成長していくのか
イメージできるようになっていただければ幸いです。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島と申します。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう。

骨端線=成長軟骨板

まず骨端線とはなんぞや?ということについてですが、

骨端・・・つまり、
骨の端っこにある、
線状の組織

それが骨端線の名前の意味ですが、

骨端線とは別の言葉で
成長軟骨板(せいちょうなんこつばん)」といいます。

成長軟骨板はその名の通り、
成長する軟骨の板状組織といえます。

もっとシンプルにいうと、
子供が成長する=骨が長く伸びるときの、
伸びる場所そのもの

それが成長軟骨板=骨端線です。

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レントゲンでもはっきりと、
骨とは違う、
一見「骨折している?」と思ってしまう部分がわかります。

画像引用元:小児整形外科の実際 第一版 南山堂

画像引用元:小児整形外科の実際 第一版 南山堂

骨は全体的になんとなーく伸びていくわけじゃないんですね。

しっかりと伸びる場所があるわけです。

骨には成長軟骨板がなぜ必要か?

それでは、なぜこの成長軟骨板が必要なんでしょうか?
別に骨全体で徐々に伸びればいいじゃないか?

という気もしますよね。

それには、人の身体の成長ということについて、
少し深めていければとご理解いただけます。

成長するには柔らかい組織が必要

人の身体の成長には
その組織に柔軟性が必要です。

例えば、骨が伸びるに伴って、
筋肉も長く伸びていきます。

これは全体的に伸びます。

筋肉は柔らかいからですね。

骨はきわめて硬い

しかし、骨はきわめて硬いわけです。

むしろ、硬くないといけないわけですよね。
身体を支えなくてはいけないので。

しかし、成長しなくてはいけない。

そのため、部分的に柔らかい
骨ではない、軟骨の状態を保って、
細胞分裂をどんどんくりかえして成長する場所
作ったということになります。

関節は様々な負荷がかかる

骨は長軸に沿って成長します。
例えば、太ももの骨である大腿骨。

これも上下に長く伸びるわけですね。

とすると、上と下の端っこから
どんどん長くなっていけばシンプルですね。

しかし、そうはいきません。

上下とも関節があるからですね。

上には股関節、下には膝関節があり、
その場所が成長をどんどんするような柔らかい状態だと

関節の負担
つまり、体重がかかったり、
運動で体重以上の負荷がかかったり、
さまざまな力の方向の変化に対応したり

ということに耐えられなくなります。

そのため、その関節の近くに
成長軟骨板=骨端線ができている

ということになります。

ここまでが基本中の基本ですが、
本日の記事のキモでした。

骨端線がなんなのか?
そして、なぜ骨端線が必要なのか?
ということについてです。

さらにもう少し、マニアックですが、
骨端線の構造についてシンプルに解説します。

成長軟骨板は4層構造

骨端線=成長軟骨板は
顕微鏡で見てみると、4層構造をしていることがわかります。

それぞれ、以下のような名前がついています。

  • 予備石灰化層
  • 肥大細胞層
  • 増殖細胞層
  • 静止細胞層

これを一つ一つ覚えて、
理解する必要まではありません。

成長軟骨細胞は静止→増殖→肥大細胞層へ

ポイントは、

骨の成長は

まず、軟骨の細胞が増殖していって、
徐々に骨の構造に変化していき、
最終的には石灰化といって、
カルシウムなどの沈着で強くなる。

という時間経過があるということ。

それがこの4層構造で順番に
細胞が移動するように成長していく
(細胞の増殖から分化という現象です)

これさえ理解していただければ十分かと思います。

成長の調節のカギ

骨端線についてご理解いただいたところで、
成長の調節はどのようにおこなわれているのか?

簡単ですが、お伝えしたいと思います。

主に2つです。

物理的な負荷と、
全身性の調節と呼ばれます。

適度な力の負荷

物理的な負荷というのは、
骨にかかる体重や運動による力です。

これが「適度」であるということがポイントです。

「過度」でも「過小」でもダメということです。

骨端線に過度の負荷、
例えば、ボディービルディングのような
重いバーベルを背負って、
スクワットをやる

みたいなものは過度の負荷の代表と言えるでしょう。

また、そういった一回の強さだけでなく、
積み重なる負荷の強さも重要です。

つまり、オーバーユース、使いすぎ
過度の負荷になるということです。

逆に家でゴロゴロとしているだけなら、
負荷は「過小」です。

どちらも、成長には悪影響となります。

成長ホルモンなどの全身性調節

もう一つの要素が、全身性の調節と呼ばれますが、
成長ホルモンの分泌などによる調節です。

これは良く言われることが基本です。

当然過ぎますが、
栄養失調状態だと、骨の成長は抑制されます。

また、病気の治療で
ステロイドなどを使用している間は
成長が抑制されたり、

甲状腺の機能が低下するような病気では、
成長が抑制される

といったことも全身性の調整です。

ここまで、

骨端線とはなんぞや?
なぜ必要なのか?

ということから、

骨端線で成長していく仕組み、
成長調節の2つの仕組みについて

できるだけシンプルにわかりやすくお伝えしたつもりです。
参考になりましたら幸いです。

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