膝の成長痛について丁寧に解説 byスポーツドクター

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歌島 大輔
歌島 大輔
スポーツ整形外科医師川崎市立井田病院
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は膝の成長痛について、
できるだけ丁寧に解説したいと思います。

成長痛とは厳密な
狭い意味としての
定義らしきものがありますので、

それについて簡単に解説した後、

成長期に特徴的な膝の痛みを呈する疾患
ということで3つほどご紹介いたします。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

成長痛の基本まとめ

まず成長痛そのものについて
簡単におさらいしておきましょう。

詳しくはこちらを参照いただきたいのですが、

子供の成長痛とは? 専門医が丁寧に解説

2018.03.16

「狭い意味」での成長痛は

明らかな原因や異常は掴めないけど、
困るレベルの痛みが腕や脚にある状態

ということになります。

「明らかな原因や異常は掴めないけど」

というのは、原因や異常を診察や
レントゲンでしっかり探した結果、
見つからなかったということです。

何も調べずに、
いきなり「あ、成長痛ですね」
ってことはないわけです。

こういうのを「除外診断」
と言います。

そうすると、

膝の成長痛の代表とも言える
オスグッドなども、
狭い意味では成長痛ではありません。

ただ、ここでは広い意味で、
成長に伴う痛みを総称して
成長痛とすると、

それに該当する疾患はいくつかあります。

まずはオスグッドの基本について、
お伝えします。

オスグッドの基本まとめ

オスグッドについて、
こちらの記事で詳しく解説しております。

オスグッドの治療法をまるごとスポーツドクターが解説

2017.09.23

少し簡単ですが、まとめておきましょう。

オスグッドとは?

オスグッドとは、正確には、
オスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter disease)
というものです。

オスグッド・シュラッター病とは、

脛骨粗面という膝下の骨の出っ張り部分が、
成長期の子供では骨端線があり、まだ弱いので、

骨が剥がれてしまったり、
剥がれそうになって炎症を起こしてしまう

という状態です。

画像引用元:オスグッド・シュラッター病 平野篤 医学と薬学第66巻 第3号 2011

画像引用元:オスグッド・シュラッター病 平野篤 医学と薬学第66巻 第3号 2011

膝関節を伸ばす仕組み

ここですごく基本的なことですが、

膝を伸ばす仕組みについてお話しいたします。

膝が伸びるときには、

大腿四頭筋という太ももの前側の筋肉が
縮みます。

大腿四頭筋は膝蓋骨(しつがいこつ)という、
お皿を介して、
膝蓋腱というスジとなり、
膝下のスネ部分にあたる
脛骨粗面(けいこつそめん)にくっつきます。

画像引用元:オスグッド・シュラッター症候群のメカニズムと対処法についてSportsmedicine 2003 No.53

この大腿四頭筋が縮んだとき、
この脛骨粗面が上に引っ張られることで
膝が伸びる というわけです。

また、この力は、
膝を伸ばすときだけでなくて、

膝が曲がるときにも、
曲がりすぎて膝くずれを起こさないように
踏ん張るときにも強く働きます。

オスグッドの原因は成長と負荷の足し算

そして、この膝を伸ばすときに働く
大腿四頭筋が

膝の下で脛骨粗面にくっついて引っ張ります。

この脛骨粗面は成長期には骨端線があり、
まだまだ弱く脆いため、

引っ張られると剥がれてしまうことすらあります。

画像引用元:こどもの整形外科疾患の診かた-診断・治療から患者家族への説明まで 医学書院

画像引用元:こどもの整形外科疾患の診かた-診断・治療から患者家族への説明まで 医学書院

オスグッドの症状は膝の前の痛み 圧痛の有無が重要

では、このオスグッドに特徴的な症状はあるのか?

ということですが、

痛みの部位が一番の特徴といえます。

もちろん、痛みがあるのは脛骨粗面になります。

画像引用元:オスグッド・シュラッター症候群のメカニズムと対処法についてSportsmedicine 2003 No.53

ここで、脛骨粗面が触れるようにしておきましょう。

まず、お皿を触れます。
お皿の丸い輪郭を触れて、
そのお皿の真ん中下に、

膝蓋腱というスジがくっついています。

膝を深く曲げると、
この膝蓋腱がピーンと張るので、
わかりやすいです。

そして、この膝蓋腱を追っていくと、
指の4本分くらい足側に
骨の出っ張りがあります。

これが脛骨粗面です。

ここが痛い、
またはここを押すと痛い(圧痛あり)
というのが一番の特徴になります。

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オスグッド以外の膝の成長痛

オスグッド以外には分裂膝蓋骨というものと、
外骨腫というものについて
お伝えします。

どちらも成長期の子供に特徴的な
骨端線に関連しています。

お皿が痛い 分裂膝蓋骨

まず分裂膝蓋骨ですが、

お皿である膝蓋骨も
当然、成長に伴い大きくなります。

それはつまり骨端線がある
ということですが、

大人になっても骨端線が閉じないこともあります。

それが特に外側の上側に多く、
分裂膝蓋骨と言われています。

これ自体は、
レントゲンで観ると
骨折しているかのようですが、

画像引用元:小児整形外科の実際 第一版 南山堂

骨としては癒合していなくても、
強い線維性組織でくっついているので、
多くは痛みはありません。

しかし、子供の場合は
小学校高学年から中学生くらいに
痛みを訴えることがあります。

これは、痛みの部位でわかります。

痛みがお皿(膝蓋骨)の外側、上側(股関節側)
にあったり、
圧痛(押しての痛み)がそこにあれば、

分裂膝蓋骨による痛みと言えます。

この外側にくっつくのは

大腿四頭筋の中でも
外側広筋(がいそくこうきん)という
外側を走る筋肉です。

この筋肉のストレッチをして、
柔軟性を上げることが基本です。

画像引用元:オスグッド・シュラッター症候群のメカニズムと対処法についてSportsmedicine 2003 No.53

多くは、無理さえしなければ、
成長にともな痛みがなくなりますが、

時にそうはいかず、
痛みが残る場合があります。

その場合は手術も検討されます。

手術は、骨をくっつけるか、
取ってしまうか
どちらかになりますが、

どちらもそこまで大きな手術ではありません。

骨が出っ張ってきている? 外骨腫

次に外骨腫という病態について解説します。

これは「腫」とあるくらいですので、
腫瘍です。

ただ、悪性ではなく、
良性腫瘍です。

別名、骨軟骨腫という腫瘍で、

骨端線から発生するので、
成長期の子供に特徴的です。

これは膝まわりによく起こって、

時に筋肉にひっかかったりして、
運動時の痛みの原因になります。

その場合は、
もう手術で取っちゃいます。

それ自体はあまり大きな手術ではありません。

まとめ

ここまで、
子供の膝の成長痛について、

その広い意味での成長痛として、
成長期に特徴的な膝の疾患を
3つ解説いたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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