子供の膝の痛みの原因を専門医が解説

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歌島 大輔
歌島 大輔
スポーツ整形外科医師川崎市立井田病院
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は子供の膝の痛み、
特に原因がわかりにくい非外傷性の
膝の痛みについて、

どういう疾患があるのか?

代表的なモノをリストアップして、
その特徴を解説いたします。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日は記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

子供の膝のしくみ

子供の膝のしくみについてご理解いただく前に、

大人も子供も共通した構造として、

膝は

大腿骨(だいたいこつ)という太ももの骨と
脛骨(けいこつ)というスネの骨のつなぎ目の関節
のことを言います。

この2つの骨は

4つの靱帯と
複数の筋肉で繋がっています。

画像引用元:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 第2版 医学書院

4つの靱帯は

  1. 前十字靱帯
  2. 後十字靱帯
  3. 内側側副靱帯
  4. 外側側副靱帯

であり、

それぞれ役割は異なりますが、

大雑把に言えば、
膝がグラグラしないように
極論、
膝が脱臼しないように張って守っている
スジ

と言っていいでしょう。

それに対して、複数の筋肉たちは、
脱臼しないように守っているというよりは、

膝の曲げ伸ばしの動力源として働きます。

前側の大腿四頭筋(膝蓋腱)
後ろ側のハムストリングス

といったものが膝を動かします。

画像引用元:3D踊る肉単 初版 NTS

膝を伸ばすのは大腿四頭筋で、
曲げるのがハムストリングスの役割です。

そして、膝の大切な役割として、
体重を支えるというものがあります。

そこでクッションの役割を果たしているのが、
軟骨半月板です。

半月板も軟骨なんですが、
関節の表面のツルツルして、かつ、
ある程度カタい軟骨に対して、

半月板はもう少し柔らかくて、
本当にクッションのような可動性があります。

子供の膝の特徴

それでは、子供の膝の特徴について、
お話しいたします。

骨、軟骨が成長過程である

まず、骨も軟骨も成長過程である。
ということが一番の特徴です。

そのため、骨端線が膝関節の近くにあります。
これは大腿骨側にも脛骨側にも両方あります。

この骨端線は
骨の強度を多少犠牲にしつつ、
成長能力を有している部位ですので、

痛みの原因になりやすいと言えます。

また、軟骨もまだ成熟していないので、
柔らかく、弱いと言っていいでしょう。

靱帯や半月板が弾力あり 損傷しにくい

骨や軟骨が弱いと言いましたが、

それに対して、靱帯や半月板は、
柔らかいのですが、それはむしろ、
良質のゴムのような柔軟性、伸長性があって、
強度としては強いと言えます。

そのため、
大人であれば、靱帯断裂や
半月板損傷になりそうなケガでも、

子供だと骨折や軟骨損傷になる
ということはよくあります。

子供の膝の痛みの原因

さて、ここまで子供の膝の特徴ということで
解説してきましたが、

次に子供の膝の痛みの原因について、
それぞれの特徴をリストアップしていきます。

骨端症・筋肉の付着部炎

骨端症というのは、

血の巡りの問題や物理的なストレスで

骨端線の先に変化が起こり(変形や質の変化)
痛みが出ることです。

この骨端部分には
筋肉がくっつく付着部であることが多く、

大人でもその筋肉の付着部は
炎症を起こしやすい部位です。

これらは、痛みの部位で
だいたい推測がつきます。

特に圧痛という、押して痛いかどうか
がわかりやすく、

それぞれ特徴的な部位を押してみて、
痛いかどうかは1つの指標になります。

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オスグッド・シュラッター病

オスグッド・シュラッター病については
こちらで詳しく解説しておりますが、

オスグッドの治療法をまるごとスポーツドクターが解説

2017.09.23

大腿四頭筋という膝を伸ばす筋肉が
最終的に付着する
脛骨粗面(けいこつそめん)が、

大腿四頭筋の牽引力によって
剥がれたり、剥がれかかったりしてしまいます。

脛骨粗面は、お皿の骨から
真下に指4本くらい辿ったスネの真ん中の出っ張りです。

ここが痛いときは、これを疑います。

分裂膝蓋骨

分裂膝蓋骨はこちらで解説しておりますが、

膝の成長痛について丁寧に解説 byスポーツドクター

2018.03.16

膝蓋骨の外側、上側(股関節側)の痛みが特徴です。

鵞足炎

鵞足とはハムストリングスの一部が
付着する部位で、

膝のやや下、
スネの骨(脛骨)の内側の
ややくぼんだところです。

ここの痛みがあれば、鵞足炎を疑います。

軟骨障害

次にまだまだ成熟していない
軟骨の障害です。

まだまだ成熟していない
ということ自体が1つの原因だと思いますが、

この軟骨障害が、
外傷以外の原因で起こった場合
(外傷では骨軟骨骨折と呼ばれます)、

その原因がなんなのか?

それは現状でも明らかではありません。

離断性骨軟骨炎

軟骨障害の代表と言えます。

肘にもよく起こって、
野球肘の重症型としても有名ですが、

膝も好発部位です。

これは膝の関節軟骨の障害ですから、
どこが痛いとハッキリは言えず、
圧痛もはっきりしないこともあります。

そのため、画像所見が一番重要です。

レントゲンも注意深く
いくつか撮影方向を変えながらみてみると、
見つけられますが、

早期ではレントゲンでは異常がなく、
MRIでのみ異常がわかることがあります。

画像引用元:小児整形外科の実際 第一版 南山堂

そのため、膝の痛みが続くときは、
精密検査としてのMRIを検討します。

膝蓋骨軟化症

こちらは膝蓋骨、つまりお皿の

裏側にある軟骨の障害です。

これは10-20歳代の女性に多く、
膝蓋骨の裏側の軟骨が柔らかくなって、

膨隆(ふくらんだり)、
亀裂が入ったりしてしまう状態です。

これはお皿の痛みとして、
もしくは、膝の前側の痛みとして
自覚されます。

腫瘍

子供の代表的な膝の腫瘍としては、

骨肉腫という徹底的な治療が必要な悪性腫瘍と、
外骨腫という良性腫瘍があります。

骨肉腫

骨肉腫についてはこちらで詳しく解説しておりますが、
子供の、特に膝に多い悪性腫瘍で、

適切に治療しないと、
死亡率も高い、重大な悪性腫瘍です。

そのため、早期に見つけて、
徹底的に治療する。

それは手術と抗がん剤の併用療法ですが、
これが大切になります。

こちらで解説しております。

子供の膝の痛みは骨肉腫という骨のガンの可能性あり! 専門医解説

2017.09.02

外骨腫

それに対して、外骨腫は
良性腫瘍で、

放置しても問題にならないことも多いです。

ただ、大きさや部位によっては、
筋肉がひっかかったりして、
運動時の痛みや動きにくさに繋がるので、
手術をすることもあります。

今回は子供の膝の痛みの原因として、
主に非外傷性におこるものの代表的なモノを
リストアップいたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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どうしても多くの患者さんを拝見している中で時間をかけて人1人と向き合う時間がないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望を、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること、提供できることを常に探しながら診療しております。

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